老朽化とインフラ点検の現状
現在ある多くの道路ストックは高度成長時代に一斉に建築されました。これに伴い建築から50年以上経つ道路、トンネル、架橋などが増え続けています。 しかし、現状ではインフラ点検が全く追い付かず老朽化したままの状態で放置されています。
全国約72万橋の橋梁のうち、7割以上となる約51万橋が市町村道にあり、建設後50年を 経過した橋梁の割合は、10年後には52%と増加 緊急的に整備された箇所や水中部など立地環境の厳しい場所などの一部も構造物で老 朽化による変状が顕在化し、地方公共団体管理橋梁では近年通行規制等が増加
※国土交通省発表
建設後50年以上が経過する社会資本の割合
※国土交通省発表
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2018年3月 |
2023年3月 |
2033年3月 |
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道路橋 [約73万橋 注1)(橋長2m以上の橋] |
約25% | 約39% | 約63% |
トンネル [約1万1千本 注2)] |
約20% | 約27% | 約42% |
河川管理施設(水門等) [約1万施設 注3)] |
約32% | 約42% | 約62% |
下水道管きょ [総延長約47万km 注4)] |
約4% | 約8% | 約21% |
港湾岸壁 [約5千施設 注5)(水深ー4.5m以深)] |
約17% | 約32% | 約58% |
注1)建設年度不明橋梁の約23万橋については、割合の算出にあたり除いている。
注2)建設年度不明トンネルの約400本については、割合の算出にあたり除いている。
注3)国管理の施設のみ。建設年度が不明な施設を含む。(50年以内に整備された施設については概ね記録が存在していることから、建設年度が不明な施設は約50年以上経過した施設として整理している。)
注4)建設年度が不明な約2万kmを含む。(30年以内に布設された管きょについては概ね記録が存在していることから、建設年度が不明な施設は約30年以上経過した施設として整理し、記録が確認できる経過年数毎の整備延長割合により不明な施設の整備延長を按分し、計上している。)
注5)建設年度不明岸壁の約100施設については、割合の算出にあたり除いている。
資料)国土交通省 インフラメンテナンス情報より抜粋
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/maintenance/02research/02_01.html
ドローンによるインフラ点検の認可
国土交通省は2014年に高さ2m以上の橋、トンネルについて5年に1度の近接目視による定期点検を義務化しました。しかし、人員、予算不足による問題も発生。 そこで一部の検査にドローンの導入によるインフラ点検が注目されています。ドローンを使用するメリット
定期点検・点検
点検にドローンを使用するメリットは沢山あります。- 価格を抑えられる
- 精度の向上
- 安全面の向上
価格を抑えられる
これまで、高所の点検などを行うには足場を組み目視することで点検をしてきました。そのため、足場を組むにはコスト掛かる、人員の手配などの問題がありました。しかし、ドローンであれば高所の作業でもパイロットのみで可能になりコストを大幅に削減できるようになります。精度の向上
目視の場合にはどうしても死角ができてしまい点検が難しい箇所が存在します。しかし、ドローンであれば様々な角度(従来では見えない角度)での撮影が可能になりました。これにより点検の精度も大幅に向上します。DRONE PILOT AGENCYでは画像分析技術に特化し、人の目では判別しにくい物やNG箇所としてチェックする手間の削減、生産性向上を目的として壊れている箇所の自動検出をしております。
安全面での向上
高所、山林など危険な場所でもドローンを使用することにより安全に点検が出来るようになります。災害時などでがけ崩れが発生した場合でもドローンで撮影することが可能です。未然防止
点検の費用が抑えられることでより定期的な点検が可能になります。定期的な点検をすることによりヒビ割れなど早期発見につながり事故などが起こる前の未然防止にもなります。ドローンで可能な点検
太陽光パネルの点検
赤外線カメラを搭載したドローンを使うことにより太陽光パネルの不良など故障個所を探すことができます。また、弊社では高解像度の赤外線カメラを使用していますのでピンポイントでの故障を発見することが可能です。
太陽光パネル点検に関する詳細については、「ドローンの太陽光パネル点検|費用や赤外線による点検方法を解説」で詳しく解説しています。
架橋の点検
ドローンを使用することによりこれまで点検できなかった箇所の点検が可能になりました。電柱・鉄塔の点検
電柱や鉄塔の点検にもドローンが使用されています。電柱の点検では保守点検、樹木接触の確認などがあります。特に山林の鉄塔、電柱ではこれまでの目視での確認に比べ安全面、精度とも大幅に向上しています。災害時の点検
災害時の点検にもドローは活用できます。災害時には道路が封鎖され現地まで行くことが出来きない状況が多々あります。しかし、ドローンであれば道路の状況などに関わらずインフラ点検や状況確認が可能です。 実は当社も10月の台風19号の後には、台風で寸断された道路インフラの影響を受けずに、生活インフラの現場状況をいち早く把握するツールとしてご依頼を受け、ドローンにて緊急対応を行いました。
災害時の点検に関する詳細については、「ドローンによる災害調査と対応|活用法・メリット・課題」で詳しく解説しています。
外壁・屋根等の点検
外壁・屋根などのひび割れ、劣化の点検も可能です。弊社ではAIによる画像分析を使用することにより自動でひび割れを検知し、目視では見逃してしまいそうなひび割れ等の検査も可能です。風力発電所の点検
風力発電では通常目視で行われている羽根の損傷の点検・落雷の有無や落雷による被害の点検が可能です。現状双眼鏡等を使い地上から目視点検していますが距離や角度によって十分な点検がされているとは言い難い点があります。インフラ点検・その他点検や調査、ご相談、お問い合わせは以下のフォームからお問い合わせください。
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