プレシリーズAラウンドで総額1億円の資金調達を実施しました

資金調達の実施

 この度、プレシリーズAラウンドとして株式会社カクイチ(本部:東京都千代田区、代表取締役:田中離有、以下「カクイチ」)と、サイバーエージェント・キャピタル株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:近藤裕文、以下「CAC」)が運営するファンドを引受先とする第三者割当増資により1億円の資金調達を実施致しました。  これで昨年のシードラウンドでの調達と合わせて、資金調達額は総額1億5,500万円となりました。これらの資金を活用し、外壁タイル地のクラック検出が可能となったプロダクトサービスを更に拡大させていくべく、開発を進めていく予定です。


ドローンによる点検等の飛行のサンプル動画

 具体的にはアウトプットされる指標の精度を高めるべくAIによる学習システムを充足させていく点と、クラック検出だけではなくタイルの浮きも測定できるようにデータ取得、そもそもの特異点の検出手法の確立や分類についての開発を進めます。
 また、これらのプロダクトサービスが保守点検の現場で必要とされるアウトプット、例えば図面への記載や報告書への記載などに繋がる、ような形を模索しながら開発も進める予定でいます。

今後の展望

 現在、建物インフラを中心に電力、通信インフラ分野に力を入れております。今回の調達資金を全てに投入まではいきませんが、それぞれの分野にて当社の技術を展開できるものを前提としてプロダクト開発に向けての研究開発を行っていきます。
 正式なプロダクトをリリースするよりは、現状問題解決になりそうなことがどの程度の精度で出来そうか、その際に大きな課題は何かを定義しながら研究開発をすることにより、該当分野での拡大などを目指します。
 当社が想定しているフェーズとして、外壁や赤外線による画像分析の次は橋梁やトンネルといったコンクリート部分や、鉄骨などの分野、道路インフラや鉄道インフラへの展開へ進めていきたいと考えております。
 こういったインフラや構造物の劣化状況を把握/取得していくには、画像のみならず温度や距離といった様々なデータも複合して捉えていくのが必要になるでしょう。
 しかし、当社は画像分析やAIによる学習システムは構築しますが、ドローンそのものといった機体、ハードを作っているわけでも、その飛行を自動化させるソフトウェアを作る会社ではありません。特に構造物や分析対象によっては、飛行に関して外的要因が大きく絡むことがあります。電磁波や、挟所部分といったところです。
 これらの解決に対して機体開発で対応しようとすると、多種多様な状況に対応できなかったり、機体に課題を当てはめて解決しようとしてしまい、結局最適なソリューション提案ができなくなる恐れがあるため、当面は様々な機体や制御系ソフトを活用して参ります。

現在取り組んでいる多様な業務

 ドローン×画像分析という切り口から力を入れている上述の3つの分野以外でも、色々なご依頼をいただくことがあります。例えば、屋内のある閉鎖部に関する保守点検出会ったり、とある状況での不審者等の割り出しなどです。
 まだまだ実験の域を出ませんが、そんな中でも北海道寿都町と事業を始めた牡蠣養殖支援にドローンと取得した画像データの分析という案件もあります。

 上記の動画は沿岸部と、牡蠣養殖などを仕掛けてある湾内のポイント周辺を通常のドローンで撮影した動画ですので、延々と海しか見えないと思いますが可視光動画で何がどの程度映り込むのか、何が判別できそうか、という簡単なテストも兼ねました。
 この日には、別で赤外線カメラを積んだドローンも飛行させて川からの温度と海の温度の境目がどれほど判別できるかや、沿岸部から近くの海面温度の確認などを行いました。単に温度の測定だけであれば、機材さえあればどこでも可能ですが温度分布を画像から拾って分析の材料にしたり、さらにそのデータを実際にどう現場で活かすのかまで落とし込まないと意味がありません。
 その点も牡蠣養殖の国内最高クラスの漁師とコンサルティングの方と一緒に組みながら、データとリアルのすり合わせと、そして実際に手を動かす方々と外部環境を考慮した上で何が一番最適で、ゴールにどこまで近づけるのか、まさにコンサルティングを行うという一風変わった案件でした。


 本件のように実際にたどり着きたいゴールまで考察が必要な段階を設定し、それに対する具体的な実証実験や、場合によってはその段階で実施できることを現場とすり合わせながら対応する案件は増えてきています。
 引き続き、メイン分野への注力をしながらもドローンによるソリューションと画像などの分析が活用できるのであれば、少しでもお力になれるように事業を推進してまいります。

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